【9月21日 CNS】中国と日本をそれぞれ代表する文学巨匠・魯迅(Lu Xun)と夏目漱石(Soseki Natsume)。2人との時空を超えた対話をテーマにした中日文化交流活動が11日、魯迅の故郷である中国・浙江省(Zhejiang)紹興市(Shaoxing)で開催された。2人の子孫たちや日中友好協会、日中友好会館の代表や研究者らが集まり、両国の文化交流や友好関係の促進について話し合った。

 中国と日本は海を隔てた隣国であり、中日思想文化はずっと互いに影響を受けながら受け継がれてきた。日本では誰もが知っている国民的大作家の夏目漱石と、現代中国の「民族魂」と呼ばれる魯迅。2人は共通点が多いことでも知られている。今回の活動は、魯迅と漱石の文化遺産の価値を再認識するとともに、中日両国の文化交流と友好を深める目的で開催された。

 魯迅の孫で魯迅文化基金会の周令飛(Zhou Lingfei)秘書長は、「魯迅と漱石には不思議な共通点がある。漱石の作風ははっきりとしたリアリズムがにじみ出ており、人間に対する細かい洞察であふれている。魯迅は鋭い風刺力のある作風で、『匕首(あいくち)や投げ槍のようだ』と表現される魯迅式雑文の模範を確立した。2人は文学精神も性質的にも似通っている」と話した。

 周さんが特に不思議だと感じたことは、2人は東京で同じ家に住んだことがあるということだ。「まさに中日両国文学の密接な関係を象徴しているかのようで、想像は尽きない」と話す。

 2017年はちょうど中日国交正常化45周年と夏目漱石の生誕150周年、同時に中国新文学革命から100周年に当たる。周さんは、「このような深く心に刻むべき時にこのようなフォーラムを開催できたことはとても有意義で、文学にとってだけでなく、両国間の心と心の交流の機会としたい」と述べた。

 周さんはまた、中国と日本は海を隔てた隣国であり、21世紀の急速な発展の渦中において、中日両国間はさらに深く交流し合い、互いに理解し、互を尊敬し合い、互いに学習し、共に発展していきたい、とも語った。

 漱石の孫、夏目房之介(Fusanosuke Natsume)さんはこれに共感し、『漱石日記』の中の一文を引用しながら、漱石の中国と中国人に対する尊敬と崇拝を強調した。また、中日双方で様々な交流活動を開催し、両国間の相互理解を深めたいと述べた。

 芸術に国境はない。紹興文理学院の王建力(Wang Jianli)校長は、「魯迅と漱石は違う国に生まれたが、共に中日両国の文化を重視しており、深く影響を受けている。同時に彼らの作品も中日両国の読者に広く深く影響を与えている。中日両国文化の交流の象徴であると言っても過言ではない」と話した。(c)CNS/JCM/AFPBB News