【9月20日 CNS】中国・南京市(Nanjing)秦淮区(Qinhuai)人民法院(裁判所)によると、同法院が7日に「淘宝(タオバオ、TaoBao)」で公開・実施した司法競売に中古の「iPhone7」が出品されたが、故意に708回も価格が引き上げられ、最終的には27万550元(約456万950円)で落札された。同法院が調査したところ、故意に価格が引き上げられたことがわかり、落札者を含む2人に罰金を科した。

 人民法院のインターネットによる競売は、商業目的のオークションとは異なり、人民法院が法に基づいて執行した押収品や没収財産に対する強制措置の一種だ。人民法院が司法権を行使し、当事者の合法的権益を保障するものである。

 競売にかけられた中古iPhone7の最初の提示価格は100元(約1680円)で、1回につき最低50元(約840円)以上引き上げることができる。開始時間は7日午前10時で、当初の計画では翌8日午前10時に締め切られる予定だったが、価格が引き上げられるたびに時間も延長するため、何度も取引時間が延長され、2017年9月8日午後12時31分に取引が終了した。

 同法院の調査で、競売に参加していた1人が124回も価格を引き上げ、一度に1000元(約1万6800円)を超える引き上げが4回もあったことがわかった。同法院が呼び出して事情を聞くと、冗談のつもりで価格を故意に引き上げたことを認め、「あんな高額で中古の携帯電話を購入する意思はなかった」と答えたという。

 また、落札者は自ら同法院に出向き、「競売は成立したが、自分は最終価格を見間違えて競り落としてしまっただけで、支払うつもりはない」と主張した。

 同法院は2人に対し、法院の競売専用ページに明記してある操作上の注意と規則を理解していながら、購買意思もないのに故意に競売に参加して著しく秩序を乱した上、法院の財産処理を妨げて悪影響を及ぼしたとして、124回価格をつり上げた者に対し2万元(約33万6800円)、落札者に対し1万元(約16万8650円)の罰金をそれぞれ科した。共に過ちを認め、自らの行動により法院の執行を妨害する結果になったことを後悔していることを考慮したという、同法院は、このほかにも悪意のある行為を行った人物の調査を引き続き行っていくとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News