【9月15日 AFP】裁判官の行動規範を審査するカナダの審議会は、昨年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が勝利した翌日に、同氏の選挙スローガン「米国を再び偉大に」をあしらった帽子を法廷内でかぶったオンタリオ(Ontario)州の判事に対し、停職30日間の懲戒処分を下した。

 審議会は12日、ベルント・ゼーベル(Bernd Zabel)判事(69)が「裁判官の行動規範に違反した」と判断した。

 審議会が先月開いた会合では、ゼーベル判事への退職勧告も検討されたが、最終的な処分では同判事の行動を「異常で不可解」としながらも、これまでの法廷における態度や同僚判事らの評判から「全く公正で公明正大な裁判官」だと結論付けた。

 ゼーベル判事に対しては、判事・弁護士協会や法律の専門家、市民などから81件の苦情が殺到した。

 ゼーベル判事は自身の行動について判断ミスだったと認めており、既に「米大統領戦の思いもよらない結果を受けて、歴史的瞬間を法廷でのユーモアで記念しようとした間違った試み」と謝罪していた。(c)AFP