【9月14日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は13日、世界反ドーピング機関(WADA)が証拠不十分であることを理由に、ロシア出身選手95人の調査を打ち切る見通しだと報じた。

 同紙が掲載したWADAの内部文書では、これまで調査対象にあったロシア選手96人のうち95人について、十分な証拠を集めることができなかったと記されており、その中でオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長は「利用可能な証拠は、95選手が反ドーピング規則に違反したとする主張を裏付けるには不十分だ」としている。

 ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は2015年11月、WADAの反ドーピング規定に違反しているとして機能停止を宣告されると、2016年リオデジャネイロ五輪では同国出身陸上選手の出場が全面禁止された。

 また、WADAの独立調査官であるリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が2016年に発表した報告書では、1000人以上の選手が組織的ドーピングに関与していると指摘されたが、ロシア側は国際大会で国家ぐるみの不正を行っていた疑いを完全否定し、違反者の取り締まりに全力を注いでいるとしていた。(c)AFP