【9月14日 AFP】(更新)マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)にあるイスラム神学校で14日、火災が発生し、生徒21人と教師2人が死亡した。当局は「過去20年で国内最悪規模の火災」と話している。

 現場はクアラルンプール中心部にある「タフィーズ・ダルル・クルアーン・イティファキヤ(Tahfiz Darul Quran Ittifaqiyah)」。夜明け前に、2階建ての建物から火の手が上がった。

 消防隊が現場に急行し、火は1時間以内に消し止められたものの、その時点までに壊滅的な被害が広がった。地元メディアが掲載した画像には、黒焦げになり灰に覆われたベッドなどが映し出されている。

 死亡したのはそのほとんどが10代の男子生徒たち。遺体は全身が焼けた状態だったという。S.スブラマニアム(S. Subramaniam)保健相は、生徒21人と職員2人の遺体が収容されたと述べた。当局は先に、死者を24人と発表していた。

 クアラルンプール消防庁のヒルジン・ドラマン(Khirudin Drahman)長官はAFPに、「過去20年で最悪の火災」との見方を示している。

 テングアドナン・テンクマンソル(Tengku Adnan Tengku Mansor)連邦直轄区相はテレビ局のインタビューで「子どもたちは炎から必死に逃れようとしたが、(窓に)鉄製の面格子があったため、燃え盛る建物から脱出できなかった」と語っている。問題の学校は当局に正規の登録を行っていなかったという。

 消防当局は出火の原因について、電気回路のショート、または蚊よけ機器の可能性があるとしている。

 地元紙スター(Star)によると、国内の未登録の民間イスラム神学校をめぐっては、かねて火災安全対策の不備を懸念する声が消防当局から上がっていた。タフィーズと呼ばれるこれらの学校では、2015年以降だけで211件の火災が報告されていたという。(c)AFP