【9月17日 CNS】新たな科学技術革命と新たな産業革命が全世界を席巻し、技術の壁を次々と突破していく。業界の垣根を越えて結びつくモノのインターネット(Internet of ThingsIoT)、IoTを一歩進めた、インターネットですべてがデジタルにつながるIoE(Internet of EverythingIoE)時代が今まさにやってこようとしている。

 業界はいかにして好機をつかみ取るのか? この競争の輪の中からどうやって頭一つ抜けようか? そのヒントは、10日に中国・江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)で開催された世界物聯綱博覧会(2017 World Internet of Things Exposition)にあった。国内外の専門家や学者、行政や企業、各界の著名人が参加した。

 江蘇省委員会の李強(Li Qiang)書記は、「人が想像することは、必ず人が実現する」。フランスの著名SF作家ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)氏の言葉を引用し、現在のIoTテクノロジーの発展にともなって、かつてSF映画の中で見た「近未来」が一歩一歩現実に変わりつつあると述べた。

「産業ロボットは、我々の両手を開放してくれた。スマートシティは『都市病』と呼ばれる過密化都市の弊害を我々から遠ざけてくれた。スマートハウスは我々の生活をより『スマート』にしてくれた。スマートウォッチなどのウェアラブル端末によって、外部と自身の情報が簡単に感知できるようになった。例は挙げたらきりが無い」と李書記は言う。

 中国工業情報化部(MIIT)の羅文(Luo Wen)副部長によると、IoTの新たな技術や新製品の急速な発展は、情報産業の成長を大きく推進させている。近年、世界的なIoTの技術革新はこれまでにない活気を見せており、新技術や新製品が絶えず世に送り出されている。2016年の全世界のIoT市場規模は700億ドル(約7兆5900億円)になり、前年と比べ21%成長した。2018年には1000億ドル(約11兆円)を超えるだろうと予想される。

 中国工程院(Chinese Academy of Engineering)のウ賀銓(Wu Hequan)氏によると、ナローバンドを利用したIoTは防犯や高齢者の社会保障、監督・保護などの領域でIoTアプリケーションの展開の足がかりとなった。今後3年~5年後には爆発期を迎えるだろうとみている。「海外のIoT製品が優勢だが、中国はアプリケーション分野で先頭を走っているだけでなく、すでに実用化に向けたプロモーション段階に入っている」と話す。

 IoEは、まさにその実現に向け加速を始めている。中国三大通信社の「中国移動(China Mobile)」、「中国聯通(China Unicom)」、「中国電信(China Telecom)」はナローバンドIoT(NB-IoT)の国内市場を制覇し、アリババ(Alibaba)、百度(Baidu)、テンセント(Tencent)などの中国大手IT企業も加わり、中国のIoT産業は新たな発展の機会を迎えようとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News