【9月12日 AFP】ミャンマーで暴力を受けたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が多数流入しているバングラデシュで、同国政府がロヒンギャ難民を離島へと移住させる計画を進めている。だが、この島では洪水が毎年発生しており、いったんは移住計画が棚上げされていた。

 仏教国ミャンマーのラカイン(Rakhine)州では、先月25日にロヒンギャの武装集団が治安部隊に攻撃を仕掛けて衝突が再燃し、掃討作戦が展開された。その一方でバングラデシュは、流入してくる多数のロヒンギャ難民の収容という深刻化する問題を抱え、ロヒンギャをこの島に移送する計画を支援するよう国際社会に訴えている。

 国連(UN)がミャンマーとの国境付近に位置するコックスバザール(Cox's Bazar)県内で運営するキャンプでは、すでに30万人近くのロヒンギャ難民が暮らしていたが、先月25日以降、さらに30万人超の難民がバングラデシュに逃れてきた。

 多数の難民流入という事態に直面したバングラデシュ当局は、さらなる難民キャンプの設営が可能な島の選定を急ぎ、設営先の一つとして、ロヒンギャの指導者の一部や国連機関が難色を示すにもかかわらず、最近テンガルチャール(Thengar Char)から改称されたブハシャンチャール(Bhashan Char)島を選んだ。

 だが当局は2015年にも、2006年に海面から現れたばかりのテンガルチャール島にロヒンギャ難民を移住させるという計画を発表。しかし洪水が頻発し、ヘドロ状の土地であることから居住は不可能という報告を受け、計画は昨年棚上げされた形となっていた。

 それにもかかわらず、ミャンマーのラカイン州から多数の難民が押し寄せていることを受け、バングラデシュ政府は数十万人規模のロヒンギャを収容できる施設の建設を目指し、島での作業を加速化させている。(c)AFP/Shafiqul ALAM