【9月13日 CNS】ドイツ・ハノーバー(Hannover)で行われた電子博覧会で、アリババ(Alibaba)のジャック・マー(Jack Ma)会長がアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相に顔認証決済「Smile to Pay」を披露したのは、2年前だった。この技術が中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で実用化された。笑顔ひとつで支払いが完了するアリペイ(Alipay)による顔認証決済が、ケンタッキーフライドチキン(KFC)が同市で運営するレストラン「K PRO」に導入されたのだ。商用で導入されるのは世界初の試みだ。

 店の入り口に3台の注文機が設置されており、注文を済ませると支払い画面に切り替わる。「アリペイ顔認証決済」を選択すると顔認証画面が現れ、1~2秒でスキャンした後、モバイル決済のできる携帯電話番号を入力すれば支払いが完了する。

 KPROがこのシステムの導入を発表すると、流行に敏感な多くの若者が来店した。それを上回って多かったのが、視察や勉強のために訪れた同業者だった。国内外のメディアからも注目を集め、取材要請が殺到しているという。

 顔認証決済は消費者の新たな選択肢となった。財布を忘れても、携帯電話の電源が切れても、笑顔ひとつで支払いが完了するのだ。

 注文機には3D赤外線カメラが設置されており、顔認証のほかにもさまざまな方法で本人確認を行い、写真に写った人の顔ではないか、ビデオあるいはその他の方法で偽造されたものではないかなどを判断する。

 アリババ傘下のアントフィナンシャル(Ant Financial)個体識別技術の責任者、陳継東(Chen Jidong)氏は「アリペイの顔認証の正確率は、肉眼をはるかに上回っている。『顔認証決済』がやっと実験室の外に出る日が来た。この新しい技術が1日も早く普及し、もっと多くの人に安全で便利なサービスを体験してもらいたい」と話した。(c)CNS/JCM/AFPBB News