【9月11日 AFP】ハリケーン「イルマ(Irma)」に向かって銃を発砲するというアイデアがインターネット上で拡散されていることを受け、銃の愛好家が多いことで知られる米フロリダ(Florida)州の保安官がそうした行動を控えるよう地元住民に注意を呼び掛けている。

 同州西海岸に位置するパスコ(Pasco)郡の保安官事務所は、ハリケーンがフロリダ州に上陸した9日夜、ツイッター(Twitter)に「はっきり言っておく。#Irmaに向けて発砲しないこと」とハッシュタグ付きで投稿。進路が予測できないイルマの経路で発砲が相次ぐ恐れがあることから、「(イルマを)迂回(うかい)させることはできないし、非常に危険な二次災害をもたらすことになる」と述べている。同州には合法的な銃の所有者が多数いることから、改めてはっきり注意しておく必要があると考えたという。

 事の始まりは、フェイスブック(Facebook)にジョークで書き込まれた「イベント」だ。イルマへの発砲を呼び掛けるイベントをフェイスブック上で公開した同州デランド(DeLand)在住のライアン・エドワーズ(Ryon Edwards)さん(22)は英BBCに対し、「ストレスと退屈」のあまりにひらめいたと語っている。

 10日午後時点で、このイベントに対して「興味あり」をクリックした人々は約5万4000人に。

 多くの人々がエドワーズさんが冗談のつもりで投稿した奇妙なアイデアに関心を示し、中には、下着や迷彩服を着た姿で銃を振りかざす画像を投稿した人や、イルマを「懲らしめる」ために火炎放射器を使ったらどうかと提案する人もいた。一方で、犠牲者も出ているハリケーンがフロリダ州に接近している中で、このアイデアにはユーモアのかけらもないと見なし、エドワーズさんを「ばかげている」と一喝したり、彼のせいで死者が出かねないと危惧したりする人もいた。

 エドワーズさんはその後、フェイスブックの同イベントページに「みんなの反応、クールだったぜ」と投稿。「ついでに言うと、世の中の約半分の人々は、命を救うために言った皮肉が理解できないんだと分かった」と付け加えている。(c)AFP