【9月11日 AFP】スイス南部にあるトリフト(Trift)氷河の一部が10日、崩壊した。地元バレー(Valais)州の警察によると、家屋の損傷や死傷者などは出ておらず、避難していた地元住民らも自宅に戻れるという。

 スキーリゾートのある「サースフェー(Saas-Fee)」では9日、山岳氷河が崩壊する恐れがあり、それをきっかけに氷河雪崩が発生して村が巻き込まれる可能性があるとして、当局が220人を超える住民を避難させていた。

 10日早朝には氷河下部が崩壊。ただ雪崩は村まで到達しなかった。そのため住民らは帰宅を許可され、地元道路の通行止めも解除されたが、ハイキングコースは今も通行止めになっていると警察は声明で述べている。

 地元当局によると、トリフト氷河周縁の「氷舌」沿いでは最近、1日最大130センチの大きな移動がみられることが地質学者らに確認されていた。

 警察は、トリフト氷河の不安定な氷舌のうち「約3分の1だけが残った」としており、同地区は監視下に置かれ、「状況は今後も継続的に再評価される」と述べている。(c)AFP