【9月11日 AFP】10日に行われた17-18ドイツ・ブンデスリーガ1部第3節、ヘルタ・ベルリン(Hertha Berlin)対ヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)の試合で、ビビアナ・シュタインハウス(Bibiana Steinhaus)氏が女性で史上初めて欧州主要リーグの主審を務めた。

 現在38歳のシュタインハウス氏は、2007年以来ブンデス2部で80試合のキャリアを積み、トップカテゴリーで何度も第4審判を担当しているが、主審を務めるのは今回が初めてだった。記念すべき一戦にあたり、ヘルタはシュタインハウス氏が裁く試合を観戦したい女性に半額のチケットを提供した。

 メディアの関心を集め、慌ただしい日々を過ごしたシュタインハウス氏は、審判団を代表して「私たちにとって重要なのは、90分を終えたら解放されることです。試合について私たちは満足しています」とコメントし、「あしたから普段の毎日が戻ってくることをうれしく思います」と語った。

 会場のオリンピアシュタディオン(Olympiastadion)で試合をコントロールしたシュタインハウス氏は、自身のジャッジにより間違った形で注目されたくないという試合前の願いをかなえた。シュタインハウス氏に対しては、ドイツサッカー連盟(DFB)も合格点を与えている。

 DFBのラインハルト・グリンデル(Reinhard Grindel)会長は「信じられないほどの重圧が彼女にかかっていたが、すべての重要な局面に対する備えができており、正しい判断を下した。自信に満ちたパフォーマンスだった。彼女はとても貴重な経験を積んだ」と称賛した。

■両監督もシュタインハウス氏を称賛

 前半38分にヘルタのマシュー・レッキー(Mathew Leckie)が先制点を挙げた場面でシュタインハウス氏は、ビルドアップの際にウラジーミル・ダリダ(Vladimir Darida)に対するファウルがあったものの、試合を止めずにプレーオンとする適切な判断を下した。

 ヘルタのパル・ダルダイ(Pal Dardai)監督は「主審には称賛しかない。特に最初のゴールに関わるシーンで、彼女はアドバンテージを取ってプレーを流したね。それが彼女の経験を物語っている」と評価し、「大いに敬意を払いたい。当たりの激しい試合でも彼女は多くの場面で試合を流していた。とても満足しているよ」と語った。

 後半31分にシュタインハウス氏は、ヘルタのバレンティン・シュトッカー(Valentin Stocker)によるPKのアピールを拒絶している。リプレーでこの判断は正しかったことが確認されたが、ホームのファンからブーイングを浴びせられた。

 トーマス・デラネイ(Thomas Delaney)の同点ゴールで1-1の引き分けに持ち込み、敵地で今季初の勝ち点1を獲得したものの、依然として下位に沈むブレーメンのアレクサンドル・ヌーリ(Alexander Nouri)監督は、シュタインハウス氏のレフェリングについて「審判の性別は問題ではない。パフォーマンスが重要で、ジャッジには満足している」とコメントした。

 今年開催された女子の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)決勝や、2012年のロンドン五輪などでも主審を務めているシュタインハウス氏は、今季からブンデスリーガ1部の正式審判員に名を連ねていたが、開幕から2試合は笛を吹くチャンスがなかった。(c)AFP/Ryland JAMES