【9月9日 AFP】男子テニスのファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)が8日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)の男子シングルスで4強に終わり「腹が立っている」と認めた上で、準決勝で対戦したラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が同大会3度目にして通算16回目の四大大会(グランドスラム)制覇を成し遂げると予言した。

 世界1位のナダルに6-4、0-6、3-6、2-6で敗れたデルポトロは「正直なところ、今回のようなチャンスに負けて腹が立っている。明日になれば、冷静になって今大会が自分にとっていかに大きかったか実感できるだろう」と語った。

 2009年大会では準決勝でナダルを破り、続くロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)との決勝を制して自身初めてにしてキャリア唯一のメジャータイトルを獲得したデルポトロは、今大会でもナダルを破るべく第1セットを先取した。

 しかし、2セットダウンの劣勢から2本のマッチポイントをしのぐ大熱戦となったドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)との4回戦に続き、準々決勝のフェデラー戦でも精神と体力を消耗する戦いを強いられた負荷は、デルポトロに大きくのしかかる結果となった。

 ナダルからブレークに成功したのは第1セットの第5ゲームのみで、しかも打球がネットインするという幸運だったデルポトロは、「試合の主導権を一度も握れなかった。ネットインで彼のサービスゲームをブレークできたのはラッキーだった」と振り返っている。

「ラファ(ナダル)との試合では、バックハンドが好調で3~4時間プレーできる自信がなければ、追い詰められていくのは時間の問題だ。一方で、第2セットからは彼が良く挽回したといえる。彼の打球は左右ともに速かった。彼が勝って当然だよ」

 デルポトロがグランドスラムで4強入りを果たすのは、フルセットに及ぶ大激戦の末にノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れた2013年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)以来、第24シードとして出場した今大会が4回目となった。

 現在28歳のデルポトロは通算14度目のナダル戦で9敗目を喫した直後、ナダルが10日の決勝でケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)に勝利し、2010年と2013年大会に続いてタイトルを獲得すると予想した。

「彼が今日の試合に勝ったのは、自分を倒して大会で優勝するためだ。彼の方が良いプレーをしていると思う。バックハンドも改善されているし、サーブも好調だ。彼は現在世界ランク1位であり、今年は多くの大会で優勝している」

「ティエムとロジャーの試合で消耗してしまった。それに今週は風邪の影響もあって、試合前に問題だらけだったけれど、準決勝では何としてもプレーに臨みたかった。この試合に勝って生き残るために全力を尽くしたが、うまくいかなかった」

 手首の故障が長引いてこれまで4度の手術を必要とした境遇から、大会では観客の声援を受け続けたデルポトロは、自己最高の世界4位から昨年は1045位まで転落し、一時は引退の危機に立たされていた。(c)AFP /Dave JAMES