【9月9日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の長年の護衛で、腹心の友でもあるキース・シラー(Keith Schiller)氏が8日、ホワイトハウス(White House)での職務から離れる意向を表明した。シラー氏は実業家から大統領に転じたトランプ氏の護衛として10年以上にわたって務めてきた。

 公式には大統領執務室の運営トップを務めるシラー氏はAFPに対し、今後数週間のうちにフロリダ(Florida)州に移る意向を表明した。同氏は、最前列席で歴史を見ることができたことに感謝するが退く時が来たと語った。

 ニューヨーク市警(NYPD)の元警察官で人目を引く風貌のシラー氏は「この10~15年の思い出は素晴らしいものになるだろう」、「歴史的なことだ」と語る一方、政府の仕事は自分には向いていないかもしれないと語った。さらに「今日が最終出勤日ではない」と述べた上で、ハリケーン「イルマ(Irma)」による事態が落ち着いた後にフロリダ州へ戻る予定だと語った。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)やCNNテレビはこれまでの報道で、シラー氏の辞職理由の一つに経済的な事情を挙げている。ホワイトハウスが開示した財務情報によると、シラー氏はトランプ氏の大統領就任に伴いホワイトハウスに転職したことで約13万ドル(約1400万円)の減給となった。それでもシラー氏の年俸は16万5000ドル(約1780万円)で、側近の中ではトップクラスの高給取りとなっている。

 シラー氏は1990年代後半、トランプ氏の一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)に加わった。以来、トランプ氏の側近兼護衛として信頼を得てきた。(c)AFP