【9月14日 CNS】今後20年、中国は新しい飛行機が7000機以上を必要とし、総額は1兆1000億ドル(約120兆円)に達する──。米・ボーイング(Boeing)が6日発表した「現在の市場展望」の最新報告で今後の見通しを示した。新しい飛行機の需要は、2016年に発表した予想よりも6.3%増加した。

 同社マーケティング担当のランディ・ティンゼス(Randy Tinseth)副社長は同日、北京(Beijing)でメディアの取材に対し、「中国の経済成長が続いている中、中産階級層の拡大、インフラ建設への巨額投資や航空ビジネスモデルの発展変化などが、長期予測の根拠だ。中国での運航規模が世界の平均を上回る速さで成長しており、中国の航空会社が今後20年の全世界の旅客機需要のうちの20%近くを占めるだろう」と話した。

 ナローボディー機は依然として、中国国内とアジア地域市場の主力機種だ。同社の報告によると、中国市場は2036年までの間に5420機の新しい旅客機を必要とし、同社の新しい飛行機の全需要の75%を占めると予測されている。中国とアジア全域のレジャーやビジネス需要により、格安航空会社を含む航空会社は引き続き新機購入を増やし、航路網の拡張を行なっていく。

 中国からの注文で分かることは、737MAX8型機が依然としてナローボディー機市場の需要の中心だ、とティンゼス副社長は強調した。

 また、ワイドボディ機としては、中国市場は新しい飛行機を1670機必要とするとしている。柔軟な運営を行う航空会社は、遠距離航路の拡張を求めて中・小型ワイドボディ機を購入する傾向にあるという。また、超大型の新しいワイドボディ機の需要は、主に貨物市場に集中している。

 中国の海外旅行市場は引き続き成長を維持しており、旅行者数は毎年2億人規模に向かっている。こうした状況下で、ボーイング787と777Xシリーズは中国の遠隔航路市場の成長の面で中心的役割を果たす、とティンゼス副社長は自信満々に話す。

 中国の航空会社が運営するすべての民間ジェット機の50%は、ボーイング機だ。また、同社の737、747、767、777型機と、最も革新的な787「ドリームライナー」を含め、すべてのボーイング機種の製造に中国が参加している。世界の航路で運航されている9000機以上のボーイング機に、中国製部品が取り付けられている。(c)CNS/JCM/AFPBB News