【9月8日 AFP】国連(UN)は7日、ミャンマーで昨年10月に武力衝突が発生して以来、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民を主とする25万人以上の人々がバングラデシュに入国したと発表した。

 バングラデシュに避難したロヒンギャ市民らは過去2週間だけで16万4000人に到達。既に多数を収容していた難民キャンプは人口過多状態となり、人道的危機を懸念する声を呼んでいる。

 ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州では8月25日、ロヒンギャの武装集団が一斉攻撃を開始したことを受け、軍主導による弾圧が始まった。現地では村々が焼き討ちに遭っているとの証言が出ており、武力衝突から逃れようとした多数の人々が死亡している。

 6日にはミャンマーとバングラデシュを隔てるナフ(Naf)川で、ロヒンギャ難民を乗せた少なくとも3隻のボートが沈没する事故が発生。バングラデシュの警察当局は翌7日、犠牲者17人の遺体を収容したことを明らかにした。その多くが子供だったという。

 バングラデシュの国境警備隊によると、ナフ川では小さなトロール漁船に定員を大幅に上回るロヒンギャたちが乗り込み、川を渡ろうとする事例が相次いでいる。警察と国境警備隊によると、これまでに少なくともボート5隻が転覆し、60人以上が死亡した。(c)AFP/Nick Perry