【9月7日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は6日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が勝利した昨年の米大統領選の前後、政治的対立をあおることを狙った広告を出すために、ロシアが関連しているとみられる多数の偽アカウントが利用されていたことが、内部調査により明らかになったと発表した。

 昨年の米大統領選に影響を及ぼすためフェイスブックが利用されていたのではとの懸念から行われた調査により、米国内の政治的分裂を悪化させようとする、組織的な活動の一部として利用されていた可能性のある複数のアカウントが見つかったという。

 フェイスブックによると、約470のアカウントが2015年6月から今年5月にかけて、偽ニュースを流布したり、偽ニュースや誤った情報が掲載されてるサイトへ誘導したりする広告に、計約10万ドル(約1100万円)を支出していたという。

 フェイスブックの情報セキュリティー責任者であるアレックス・スタモス(Alex Stamos)氏は、この金額はおよそ3000件の広告を出せる額で、比較的少額だが、同社の規約に違反したアカウントやサイトは閉鎖されたと語った。

 スタモス氏によると、こうしたアカウントが出していた広告の大半は大統領選自体や特定の候補、または投票に関して直接は言及していないものの、人種問題、同性愛者の人権、銃所持の権利、移民といった「イデオロギー上、意見の分かれる社会的・政治的メッセージを増大させる」ことに狙いを定めていたとみられるという。

 フェイスブックはこれらの広告が、ロシアによる米大統領選への干渉疑惑と関連があるのか調査を進めており、米当局とも情報を共有していると明らかにした。(c)AFP