【9月7日 AFP】デンマーク女王マルグレーテ2世(Queen Margrethe、77)の夫、ヘンリック殿下(Prince Consort Henrik、83)が認知症を患っていると、デンマーク王室が6日、明らかにした。ヘンリック殿下は、死後に女王と並んだ墓に埋葬してほしくないとの意向を示していたが、この意思決定には影響を及ぼしていないという。

 王室は声明で「長期にわたる調査と、この晩夏に実施された一連の検査の結果、コペンハーゲン大学病院(Rigshospitalet)の専門家チームはヘンリック殿下が認知症を患っているとの結論を出した」と述べている。

 フランス出身のヘンリック殿下は先月3日、新聞のインタビューで死後は女王と並んだ墓に埋葬しないでほしいとの意向を示していた。

 女王を補佐する格下の立場に追いやられているとかねて不満を口にしていたヘンリック殿下は、生涯を通じて妻である女王と対等の待遇を受けていないのだから、死後も対等に扱われたくはないと述べていた。

 デンマーク王室によると、マルグレーテ女王もヘンリック殿下の意向を受け入れたという。実現すれば、デンマーク王室の慣例を破る初の事例となる。

 デンマーク王室の広報責任者レーネ・バレビー(Lene Balleby)氏は6日、民放テレビTV2に対し、ヘンリック殿下の健康状態は埋葬に関する意向には何ら影響を及ぼしていないと語っている。

 同王室は6日に発表した声明で、ヘンリック殿下の症状は「行動や物事への反応、判断力や生活の中での感情の変化を伴っている可能性があるため、外部の世界との意思疎通に影響し得る」と述べた。

 ヘンリック殿下は既に2016年1月に公務から引退しているが、「今後さらに活動を控えることになる」という。(c)AFP