【9月6日 AFP】シリア内戦における戦争犯罪を調べていた国連(UN)の独立国際調査委員会(COI)は、6日に報告書を公表し、同国北西部イドリブ(Idlib)県のハンシャイフン(Khan Sheikhun)で4月に起きた化学兵器による攻撃について、シリア政府が関与していた証拠があると明言した。

 サリンによる攻撃に関し、シリア政府を公に非難した国連の報告書は今回が初めて。調査委員会は、4月4日に起きた攻撃に同国空軍が関与していたことを示す「多岐にわたる情報群」を収集したと述べた。

 報告書では、「入手できた全ての証拠によって、調査委はシリア軍がハンシャイフンでサリンをまき散らす爆弾を投下したと考える妥当な根拠があると結論付けた」としている。

 また報告書によると、反体制派の支配地域に位置するハンシャイフンで起きたこの攻撃で、少なくとも83人が死亡し、うち3分の1は子どもが占めた。また負傷者は300人近くに上ったという。ただ、死者の数を少なくとも87人とする情報筋もある。

 シリア政府は関与を一貫して否定しており、化学兵器の廃棄を約束した2013年の合意以降、化学兵器は一切保有していないと主張している。(c)AFP