【9月6日 AFP】(更新)ミャンマーの事実上の指導者であるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問は6日、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民ら12万5000人が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされていることをめぐり、「大量の偽情報」が危機の実態をゆがめていると非難した。

 先月25日にミャンマーの治安部隊とロヒンギャの武装集団の衝突が発生して以来、スー・チー氏がコメントするのは初めて。スー・チー氏の執務室がフェイスブック(Facebook)に投稿したところによると、同氏は、偽ニュースが利用され、さまざまなコミュニティー間に多くの問題を引き起こし、テロリストらの利益を助長しているとみている。

 スー・チー氏はこれに先立ち、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と電話で会談。ミャンマー政府軍によるロヒンギャ弾圧をめぐっては世界的に非難の声が上がっているが、同大統領はその急先鋒(せんぽう)に立っている。

 ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のスー・チー氏は、ロヒンギャの処遇について声を上げることや、ミャンマー政府軍を厳しく非難することを拒んできたため批判が強まっている。

 同氏が長年にわたり人権団体から圧力を受けているにもかかわらず、こうしたかたくなな姿勢を貫く背景について、専門家らは、いまだに権力を持つ軍の機嫌をとり、ミャンマーで急速に拡大する仏教徒の愛国心をなだめる思惑があると分析している。(c)AFP