【9月6日 AFP】紛争が続くナイジェリア北東部でのコレラの流行で、これまでに21人が死亡している。同国保健省が5日、発表した。犠牲者の大半は、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」による攻撃で避難を余儀なくされた人々だという。

 2日の発表では、ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)で発生したコレラによる死者が14人に達したとされていた。

 しかし、ボルノ州保健省は5日、死者数の増加を受けて「9月4日時点で21人の死者が報告されている」と発表。また「マイドゥグリでコレラの感染が疑われる患者の数は現時点で累計375人」としながら、先週末の186人から増加傾向にあると指摘した。

 保健省によると、感染が疑われる患者と死者の大半はマイドゥグリ郊外にあるムナ・ガレージ(Muna Garage)避難民キャンプで発生。その他の犠牲者も近隣地区で発生したという。

 流行はすでに60キロ離れた町ディクワ(Dikwa)にまで広がっており、この町ではこれまでに5人の患者が報告されている。ナイジェリア政府と各非政府組織(NGO)が流行の拡大を食い止めるための取り組みを進めていると保健省は説明している。

 ボコ・ハラムの結成地であるマイドゥグリでは、イスラム武装組織による攻撃が繰り返し起きている。8年に及ぶボコ・ハラムの攻撃で各地からの避難民の流入が倍増し、マイドゥグリの人口は現在約200万人に達している。

 2009年以降、この紛争で死亡した人は約2万人に上り、260万人以上が避難生活を余儀なくされている。多くの避難民は人であふれた簡易キャンプでの生活を続けており、コレラなどの伝染病リスクにさらされている。(c)AFP