【9月6日 AFP】2018年2月に開催される平昌冬季五輪の観戦チケットのオンライン販売が5日に始まった。しかし、北朝鮮の核の脅威に対する懸念が高まる中、大会主催者はここまでの売れ行きが芳しくないことを認めている。

 2018年の冬季五輪は、力を入れている冬季スポーツが一部に限定されている韓国で開催され、欧州や北米からの関心も高くない。そのため、会場が満員になるかは地元韓国の観客数が重要になってくる。

 しかし、チケット販売の第1次申し込み抽選では、目標とする60万枚のうち約16万2000枚しかさばけておらず、さらに悪いことに、そのうち実際に売れたのがわずか5万2000枚だったことが今回明らかになった。平昌五輪組織委員会(POCOG)の担当者は「1次販売の売り上げが非常に残念だったのは事実です。しかし、さまざまな事前イベントを通じて、なんとか五輪ムードをもっと盛り上げていこうと考えています」と語った。

 来年2月に2週間かけて行われる冬の祭典では、合計で118万席が用意されている。そのうち7割が韓国国内に割り当てられ、残りの3割が国外のファンとスポンサーに別々の形で提供される。

 組織委によると、7月17日時点までに売れたのは国外向け17万7000枚を含む計22万9000枚で、開会式まで半年を切った中で全体の2割にも届いていない。アイスホッケーやフィギュアスケートといった人気種目は売り上げが好調な一方、韓国が弱い雪上種目は人気がない。

 先着順のパソコン、携帯デバイス向け販売は、韓国では5日から開始。価格はすべて公式サイトで公開されていて、最も安いのはクロスカントリーとボブスレー予選の2万ウォン(約1900円)なのに対し、最も高額な男子アイスホッケー決勝は9万ウォン(約8万6000円)に上るが、こちらは「残席わずか」となっている。開会式と閉会式は、それぞれ最も良い席で150万ウォン(約14万4000円)と95万ウォン(約9万1000円)が設定されている。

 最近は隣国の北朝鮮が核武装への動きを活発化させ、7月には米本土の大半を射程に収めるとみられる大陸間弾道弾2発の発射実験を行い、前週末には6回目の核実験も実施した。しかし、組織委の広報担当者は影響を否定している。

「北朝鮮の核開発に対する不安とは関係なく、われわれは引き続き準備を進めて必ず五輪を成功に導きます。北の脅威は以前からあるもので、国内は、国外から見るよりはるかに落ち着いています」 (c)AFP