【9月5日 AFP】地中海(Mediterranean)で移民や難民の救助に取り組んできたマルタの非政府組織(NGO)「MOAS」は4日、迫害されているミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を助けるため、活動地域を東南アジア(South East Asia)に移す方針を明らかにした。

 MOASは、民間の資金によって地中海で移民らの救助活動に従事する団体の先駆け。2014年以降、欧州を目指す移民ら4万人以上を地中海の中央部で救助、支援してきた。

 しかし、このルートを断とうとイタリアがリビア側などと交わした取り決めによって「状況が複雑になっている」とし、MOASは移民らの安全な受け入れが保障されない仕組みには関わりたくないと説明している。

 その代わりにMOASは、ローマ・カトリック教会の法王フランシスコ(Francis)がロヒンギャを迫害から守るよう訴えたことを受けて、ロヒンギャの救援にリソースを振り向けることにした。

 ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州では、国軍などとロヒンギャの武装集団との戦闘が激化したことから過去10日間で9万人近くのロヒンギャが隣りのバングラデシュに逃れている。

 MOASは、バングラデシュとミャンマーの国境地帯にいるロヒンギャの人たちに「大いに必要とされている人道支援と物資」を提供したいとしている。(c)AFP