【9月5日 AFP】統合失調症患者を悩ます幻聴を起こす脳の部分を特定し、磁気パルス治療により幻聴を一部抑えることに成功したとの研究結果が5日、仏パリ(Paris)で開かれた欧州神経精神薬理学会(European College of Neuropsychopharmacology)で発表された。

 研究チームは、統合失調症患者の言語性幻聴に関わる脳の解剖学的部位をある程度突き止め、高周波の経頭蓋磁気刺激法(TMS)によって、臨床実験に参加した患者の3分の1以上で症状が改善されたことを明らかにした。

 臨床実験では、統合失調症患者でTMS治療を実際に行った26人と、プラセボ(偽の)治療を行った33人を比較。前者のグループには、2日間にわたって1日2回、言語に関わる脳の側頭葉の部位に磁気のパルス刺激が与えられた。

 2週間後に実験参加者の幻聴に関する調査を行ったところ、TMSを受けた患者の35%近くが「著しい」改善を報告したという。ただし、研究チームは、TMSの長期的効果についてはさらなる研究が必要だとしている。

 統合失調症患者や、身近で接する人々にとって、幻聴は最も厄介な症状の一つとされる。世界保健機関(WHO)によると、統合失調症患者は世界で2100万人以上いる。(c)AFP