【9月4日 AFP】英BBCのビルマ語放送は4日、ミャンマーの民間テレビ局MNTVとの事業提携を解消すると発表した。関係者らによると、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に関する報道をめぐり、両局間で対立があったという。

 BBCは今年3月以降、MNTVによる番組の検閲や放送取り止めがあったとし、自局のビルマ語サイトに「BBCと視聴者間の信頼を損なう系列局による干渉や検閲は受け入れられない」と非難する声明を発表した。

 声明では検閲があったとされる番組名などには触れられておらず、MNTVも取材に応じていないが、MNTV関係者によると、BBCの報道でロヒンギャという言葉が使われていることに対し、MNTV側が異議を唱えたという。

 ミャンマー北西部ラカイン(Rakhine)州に住むロヒンギャは多くが無国籍状態にあるとされ、近年、ミャンマー当局による弾圧を逃れて隣国のバングラデシュに大量避難している。

 世界の多くのメディアは、この民族が長年自称しているロヒンギャという呼称を使用している。一方、ミャンマー政府や同国メディアの大半は、ロヒンギャをバングラデシュからの不法移民とみなした表現にあたるベンガル人という呼称を使用している。だが、ロヒンギャの多くは数世代にわたり、ミャンマー国内で暮らしている。(c)AFP