【8月31日 AFPBB News】電車内でつり革を持ったり、料理中に手がぬれたりすると、タブレット端末がうまく操作できない──。そんな悩みを「息」で解決しようと、東京都市大学(Tokyo City University)の森博彦(Hirohiko Mori)教授の研究チームが開発したのが「フーフータブレット」だ。従来は指で行っていた画面操作を、息を吹きかけることで可能にする。

 タブレットの周囲に12個の小型マイクを配置し、「息」を吹く音を判別。音の大きさ、長さを計測し、計算される重心から息の位置を推定する。選択範囲は直径約5センチとやや大きいが、画面のスクロールや拡大縮小、電子書籍のページをめくることも可能だ。

 ヒントは、森教授が以前住んでいたカナダでの経験。冬の寒さが厳しいカナダで、外出時に手袋を外さずに「息」で操作できればと思いついた。「生活のさまざまな場面で、両手を使えないときがある。タッチやスワイプなどの操作だけでなく、いろんな入力方法ができればと思った。その一つが『息』だった」

 3年前から同研究室の学生とともに開発し、現在も実用化に向けて改良を重ねる。今後はマイクの数や間隔などを調整し、さらに精度を高める。息を「吸う」音を識別させることで、より感覚的な操作も目指すという。(c)AFPBB News/Hiromi Tanoue