【8月31日 AFP】サッカーブラジル代表のMFオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)から「中国人最高の選手」と称された武磊(Lei Wu、ウー・レイ)は、「中国のマラドーナ」の重荷を背負ってキャリアを築いてきた。

 武磊は31日に行われる2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア最終予選でその力を証明しなければならない。中国が本大会に出場する可能性を残すためには、31日にホームの武漢(Wuhan)で行われるウズベキスタン戦で必ず勝利する必要がある。

 上海上港(Shanghai SIPG)は、先週行われたAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2017)準々決勝の第1戦で広州恒大(Guangzhou Evergrande)に4-0で勝利しているが、武磊はこの試合で6000万ユーロ(約79億円)で加入したオスカルのお株を奪い、約3分で2得点を記録しPKも獲得している。

 この試合の独力でこじ開けた1点目は、武磊がオスカルやフッキ(Hulk)がいる上海上港でポジションを確保している理由と、なぜ自身が中国サッカーの未来の中心人物であるかを証明した。

 イタリア代表を率いて2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)を制し、現在は中国代表を指揮するマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督は、純粋なストライカーの欠如に悩まされているチームにおいて、武磊の重要性を示唆している。

「われわれにはストライカーがいない。登録上は一人のストライカーもいない。ほかのポジションの選手をストライカーとして使わなければならない」

 ウイングとFWとしてプレー可能な武磊は、昨年のアジア・サッカー連盟(AFC)の年間最優秀選手にノミネートされている。

 14歳の史上最年少で中国スーパーリーグ(1部)デビューを飾った武磊は、それからコンスタントに得点を重ね、約2試合に1点のペースでゴールを挙げている。今季はさらに好調を維持している武磊は、31試合に出場して19得点8アシストを記録している。