■においの標識

 嗅覚機能が進路決定に関与していることが今回の研究で分かったが、まだ次のような疑問は残る──オニミズナギドリは何のにおいを嗅いでいるのだろうか。

 パジェット氏は、AFPの取材に「その疑問に対する端的な答えは、(海面近くを飛行する)ミズナギドリが進路決定に利用しているにおいが何なのかは分からないということだ」と語った。

 アホウドリ、ウミツバメ、ミズナギドリなどは、海の食物連鎖の最下層に位置する単細胞生物の植物プランクトンや海藻から放出される有機化合物に敏感であることが、別の研究で示唆されていた。

 だが、海鳥はにおいの元をたどるのではなく、においを道しるべのように利用している可能性があると研究チームは話す。

「生息環境内には場所によって異なる特徴的なにおいの標識があり、これらの標識が、営巣コロニーに戻る特定の方向に関連づけられている可能性がある」とパジェット氏は話した。(c)AFP/Marlowe HOOD