【8月30日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)は29日、女子シングルス1回戦が行われ、大坂なおみ(Naomi Osaka)は6-3、6-1で前回女王のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)を破り、2回戦進出を決めた。

 ハイチ出身の父と日本人の母を持つ19歳の大坂は大会第6シードのケルバーを破り、トップ10選手から初勝利を挙げたが、この試合は過去の苦い記憶を振り払うところから始まった。

 今からちょうど1年前、大坂はこの日と同じアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で地元米国のマディソン・キーズ(Madison Keys)と対戦。第3セットで5-1とリードしながらも、最終的に5-7、6-4、6-7(3-7)で勝利を手放した。

 大坂は「コートに足を踏み入れた時に観客の声が耳に入ったり、スタジアムの大きさに圧倒されたりして、少しパニックになったが、なんとか我慢しようと努めた」としながらも、序盤から元世界ランキング1位のケルバーを圧倒した。

 試合が終盤に差し掛かると「昨年のようなことは絶対にしたくない」という思いが頭をよぎったというが、最後まで主導権を離さず、前回女王としては2005年のスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)以来となる大会初戦での土をケルバーにつけた。

「この試合でも4-1になった時に同じような緊張を感じたが、とにかく今と同じプレーを続けるよう自分に言い聞かせ、去年のように緊張感に押しつぶされないようにした」

「去年の経験に助けられた。今はトップ選手たちとも戦えるとわかっているし、きょうのようにナーバスになる必要はもうない」 (c)AFP/Jim SLATER