【8月29日 AFPBB News】のんびりお母さんのおなかの上でお昼寝──。千葉市若葉区の千葉市動物公園(Chiba Zoological Park)で、5月30日に誕生したフタユビナマケモノの赤ちゃんがすくすくと成長している。

 飼育担当の松本和人(Kazuhito Matsumoto)さん(51)によると、黒色だった体毛は成獣と同じ茶色に近づき、体もふた回りほど大きくなった。生まれて約4か月が経つが、一度も母子を離していないため、性別や正確な体長は現在把握していない。

「おばあちゃん」の愛称で親しまれる母親は、推定30歳で、人間でいうと60〜70歳の「超高齢出産」。25年前に一児を出産して以来で「世界でもあまりない例」だと松本さん。3月頃に食欲が増進したため、一時は妊娠を疑ったが、年齢から難しいと判断していたという。30日朝、すでに出産を終え、赤ちゃんが母親の腹部に乗った状態で発見された。高齢のため哺乳が心配されたが、順調に成長。赤ちゃんはギリシャ語で奇跡を意味する「テラス」と名付けられた。

 フタユビナマケモノは、南アメリカの森林地帯などに生息する草食動物。樹上生活をし、週に約1度の頻度で排尿や排便のため地上に下りる。「ナマケモノは怠惰な動物と思われるが、木の葉や少量の果物で生きる環境に適応した動物。なので、今でも生き残っている」。国内では45頭が飼育され、同園には今回誕生した赤ちゃんを含め4頭がいる。園内の動物科学館バードホールで放し飼いをしているが、夜行性のため、日中の多くは眠っている。(c)AFPBB News