【9月2日 東方新報】中国の火鍋料理の有名チェーン店「海底撈(Haidilao)」太陽宮店と勁松店のバックヤードの劣悪な衛生管理状況が暴露された問題で、インターネットに公開された動画には、食料を保管する棚にねずみが頻繁に出入りする様子や、店員が火鍋用の穴じゃくしで下水のゴミを掬う姿のほか、食器洗浄機の中の黄ばんだ油汚れと、それを見て「臭すぎる」と話す店員の様子などが映っていた。

「最高レベルのサービス」で人気を誇っていた「海底撈」のバックヤードの実態が暴露されたことで、世間は騒然。インターネット上で動画を視聴したユーザーたちは、「気持ち悪すぎる。『海底撈』がこうだったら他のレストランは一体どれだけ汚いのか想像もしたくない」「『海底撈』の名は地に落ちた。画面越しでも臭いが漂ってきそう。今後は家で食べるようにしよう」などと書き込んだ。

 問題が明らかになった8月25日正午、現地紙北京晨報(Morningpost)の記者が渦中の「海底撈」勁松店へ取材に行くと、ランチタイムの店内では多くの客が昼食をとっていた。龔正浩(Gong Zhenghao)店舗マネージャーは、「午前中に報道を見てすぐに内部調査をしたが、動画の中で紹介されたような問題はその場では見つけられなかった。バックヤードで働く店員たちは入社前に研修を受けている。もしかすると、一部の素行の悪い店員による行いかもしれない」と話した。同店舗のバックヤードは常に一般開放しているというので記者が中に入ると、バックヤードはきちんと整頓されており、動画にあった食器洗浄機の油汚れも跡形もなくきれいになっていた。外注業者による「衛生害虫・ネズミ駆除」の記録によると、6月27日と、7月13日、同25日、8月23日に、店内客席、トイレ、バックヤードで駆除作業が行われていた。

 約2時間後、記者は動画に映っていたもう1店舗「海底撈」太陽宮店へ取材に行った。店内の客はまばら。入り口では店員が通行人にお詫びの品を配っていた。張磊(Zhang Lei)顧客マネージャーは「報道のあと、本社の人間や近くの店舗責任者が当店に集まり、現場を調べた。午前10時40分には新規の来店客のご案内を中止したが、現在店内にいる顧客はそれ以前に入店したお客様で、追い出すわけにもいかない。勁松店はランチは営業していたが、すでにご案内を停止したそうだ」と話した。

 同日午後、四川海底撈飲食管理有限公司は公式ウェイボー(微博、Weibo)で謝罪、全ての経済的責任と法的責任を負うとした。さらに、今後の処置について言及、2店舗については営業を一時休止し全面的に改善処置を行う。また、全ての店舗で自主調査を行い、今回のような問題が再発しないように努める。

 報道後すぐに北京市食品薬品監督管理局(Beijing Food and Drug Administration)が2店舗に対し店内調査を実施、北京エリアの四川海底撈飲食管理有限公司のセントラルキッチンとその他の店舗についても全面的に検査を行うとした。(c)東方新報/AFPBB News