【9月2日 CNS】先日、中国の火鍋料理有名チェーン店「海底撈(Haidilao)」の劣悪な衛生状態がインターネット動画で暴露された問題をきっかけに、北京市食品薬品監督管理局は北京(Beijing)エリアの「海底撈」全店舗に、1か月以内にバックヤードを「見える化」し、社会の監視を受け入れることを命じた。

 中国当局は近年、全国で「明厨亮灶(明るい厨房)」キャンペーンを進めており、従来の「関係者以外立ち入り禁止」体質の改善を行っている。

 甘粛省(Gansu)は全国に先駆けて、同キャンペーンを2014年から全面的に実施しており、2016年末時点で省内の95%の飲食店で改善がみられたという。同省蘭州市(Lanzhou)安寧、城関、西固の各区の中・小型レストランでは、フロントにモニターが設置されている。バックヤードでの各工程のライブ映像が映し出されており、一望できる。また、同市「鑫海(Xinhai)」というレストランでは、冷菜加工場は透明なガラス張りになっており、そのほかの作業場もすべてライブカメラが設置されている。

 甘粛省食品薬品監督管理局の王慶邦(Wang Qingbang)副局長は、「管理局員の人数だけでは省内全ての飲食店を監視するには限界があった。しかし、『明るい厨房』キャンペーンにより消費者に監視してもらうことで、飲食業界にも自律が生まれ、消費者にも安心してもらえるようになった」と話す。

 しかし、同キャンペーンに対しては、一部の消費者からは「ライブカメラはまだ死角が多く、画像もまだ不明瞭だ」という意見も出ている。

 甘粛省は今年のテーマを、「インターネット+食品安全」をテーマにしてきた。下半期から監視管理を強化しており、出前の厨房の様子が携帯アプリによりライブ配信されるなど、見える化が進んでいる。

 現在、江蘇(Jiangsu)、湖北(Hubei)、広東(Guangdong)、甘粛各省などでどんどん「明るい厨房」キャンペーン中が進んでいる。

 中国飲食業運行報告によると、2017年上半期の全国飲食総収入は1兆8546億元(約31兆1500億円)、昨年同期比で11.2%増加した。外食産業が繁栄するためには、食の安全を確保する必要がある。専門家は、バックヤードの透明化、公開化は今後主流になるだろうとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News