【8月31日 CNS】中国の有名文芸誌『収獲』によると、作家・莫言(Mo Yan)氏がノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)受賞後初となる小説が、同誌の第5期に掲載されることになった。同賞受賞後、多くのメディアが彼の新作を予測したが、以後5年間、莫言は新作を発表しなかった。今年1月には、「今年は出さないかもしれない。まだしばらくの時間が必要」と言っていた。

 しかし、8月に入り、莫言の最新の短編小説3編が『収穫』に発表される、とメディアが騒いだ。莫氏の創作ペースは自分の予想より早まったようだ。

 今回の件について、『収穫』の程永新(Cheng Yongxin)編集長はCNSの取材に対し、次のように話した。「私たちは莫言さんとずっと連絡を取り合っています。何年か前に、新しい小説を書いたらぜひとも私たちにください、と冗談を言ったことがあります。彼も、『収穫』で小説を発表できれば私も光栄だと、冗談交じりに言っていました」

 莫氏は、何度も雑誌『収穫』で作品を発表している。1985年第5期『収穫』に中編小説『球状閃電(訳:球形の稲妻)』を発表して以来、『三十年前的一場長跑比賽(訳:30年前の長距離走大会)』、『師傅越来越幽默(訳:親方はますますユーモア)』など十数編の重要な作品が『収穫』にまず発表された。このうち、長編小説『蛙(日本語題:蛙鳴)』は2009年第6期の『収穫』で発表され、2011年第8回茅盾文学賞(Mao Dun Literature Prize)を受賞。続いて翌年にノーベル文学賞を受賞した。