【8月23日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)が22日、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)へ移籍したネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を提訴し、契約違反で少なくとも850万ユーロ(約11億円)の返還を求めていると発表した。

 2億2200万ユーロ(約288億円)の衝撃的な移籍の余波が広がっている。バルセロナは上記とは別件で、2600万ユーロ(約33億円)のボーナスの支払いを拒否しているが、今回はそれに続いてネイマール側に違反金を請求することを決めた。

 クラブは「今回の提訴で、クラブは当該の選手に対し、契約を満了していないことを受けて、契約更新にともなって支払った金額の返還を求める。損失は、850万ユーロに10パーセントの滞納金を加えた額となる」と声明を発表した。

 バルセロナはネイマールと契約を結んでいる最中だったが、PSGが契約解除金を支払ったため、移籍を止めることができなかった。

 クラブは「適切な法的効力」を発揮するため、スペインサッカー連盟(RFEF)を通じて国際サッカー連盟(FIFA)とフランスサッカー連盟(FFF)に訴状を送ったと話した。

 また、ネイマールの退団から8日後の8月11日にバルセロナ(Barcelona)の労働裁判所に対して訴えを起こしたことを明かし、ネイマールが払えない場合はPSGが肩代わりすべきだと話した。ネイマールは、今後5年間の手取りが3000万ユーロ(約390億円)に達すると報じられている。

 対してネイマールの家族は、所属事務所のNNコンサルトリア(NN Consultoria)を通じて声明を発表し、クラブを批判している。

「今回の知らせを、驚きをもって受け止めている。ネイマールは有効期間中、契約を完全にまっとうした。2016年の契約への署名に依拠し、契約に明記され、FCバルセロナが支払っていないボーナスについては、すでに管轄の裁判所に対して支払いを求める正式な手続きを始めている」

 PSGも「驚いた」と話し、「以前にも言ったとおり、パリ・サンジェルマンはネイマールと同様、すべての適用法および関連規則を順守している。ゆえに今回も、FCバルセロナの姿勢を遺憾に思う」と声明を発表した。(c)AFP