【8月21日 AFP】(写真追加)1962年に米軍を脱走し、北朝鮮へと亡命したジェームズ・ジョセフ・ドレスノク(James Joseph Dresnok)氏が昨年死亡していたことを、同氏の息子らが認めた。ドレスノク氏の息子らによると、同氏は金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長に対して忠誠の意を示していたという。

 朝鮮戦争(Korean War)後の1962年、ドレスノク氏を含め数名の米兵が非武装地帯(DMZ)を越えて北朝鮮に亡命したが、他は死亡、または出国を認められたため、同氏は同国に滞在する最後の米脱走兵とみられていた。同氏は北朝鮮のプロパガンダ映画などに出演していた。

 ドレスノク氏の2人の息子、兄テッド(Ted Dresnok)氏と弟ジェームス(James Dresnok)氏は、北朝鮮のサイト「わが民族同士(Uriminzokkiri)」のインタビュー動画に登場し、父親が昨年11月に発作を起こして死亡したことを認めた。

 テッド氏は「父は74歳でこの世を去るまで、共和国の腕に抱かれ、党からの愛と配慮を受けた」と語った。テッド氏とジェームズ氏は共に北朝鮮で生まれ、インタビューでは強い北朝鮮なまりの朝鮮語で話した。

 テッド氏は米朝政府間の緊張関係にも触れ、「米国の帝国主義者たち」は北朝鮮軍と国民に対する知識が乏しいままに「狂気じみた戦争ヒステリー」を起こしていると警告。戦争が勃発すれば「われわれは機会を見逃さず、米国を地球上から永遠に一掃する」と主張した。(c)AFP