【8月20日 AFP】ラグビー南半球4か国対抗戦、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship 2017)は19日、開幕を迎え、世界王者のニュージーランドは54-34でオーストラリアに勝利した。

 敵地に乗り込んだオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)は、3年前の51-20を上回り、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)戦での最多得点記録を更新している。

 6-54とされた後に、ワラビーズは残り30分間で4トライを挙げて意地をみせたものの、勝負は後半10分までで決していた。

 オールブラックスのスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)は、「最初の50分間はおそらくは素晴らしいラグビーとしてとらえられるだろうが、残りの30分間は恐らく最も醜いラグビーだったろう。少しばかりスコアにそそのかされたのだと思う。そうして、われわれがしようとしていた基礎的な部分から外れてしまった。だが、最初の50分間は本当に特別なものだった」と振り返った。

 オールブラックスは先月行われたブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)とのシリーズを引き分けで終え、他を圧倒する時代は終わるのではないかという疑念が生じていたが、他の追随を許さない流儀をみせて8トライを奪った。

 昨季のスーパーラグビー(Super Rugby 2017)でニュージーランド勢との26試合すべてで黒星を喫したオーストラリアのラグビー界は、ブレディスローカップ(Bledisloe Cup)でオールブラックスに早々にけりをつけられ、新たな打撃を受けている。

■復調の南アフリカは4連勝

 一方で南アフリカは37-15でアルゼンチンに勝利し、テストマッチでの連勝を4に伸ばした。

 スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)は初のテストマッチとなったコートナル・スコーサン(Courtnall Skosan)とレイモンド・ルール(Raymond Rhule)の両ウイングがトライを挙げると、エルトン・ヤンチース(Elton Jantjies)がキックで17点を挙げ、ホームで快勝を飾った。

 昨季12試合のテストマッチで8敗を喫していた南アフリカは、6月に行われたフランスとのシリーズで3連勝を飾っており、その勢いを継続させた。

 アルゼンチンは実質的に常に後手に回る状態で、数え切れないほどのハンドリングエラーを犯すと、多くのペナルティーを与え、スタンドオフのニコラス・サンチェス(Nicolas Sanchez)はキックがさえなかった。

 しかしながら、スプリングボクスのアリスター・クッツェー(Allister Coetzee)HCは「勝利については非常に喜んでいる。しかし、完璧なパフォーマンスではなかった」と複雑な心境を述べている。

 スクラムやモールについて称賛したクッツェーHCだったが、ラインアウトや戦術的なキックの面で改善の余地があると付け加えている。(c)AFP