【9月11日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2017)は10日、最終第21ステージ(アロヨモリノスからマドリード、117.6キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が総合優勝を飾った。

 同一年にツール・ド・フランス(Tour de France)とブエルタの2冠を達成した史上3人目のライダーとなったフルームは、成し遂げた偉業を喜んだ。

 フルームは、グランツール(三大ツール)で通算4勝を挙げているバーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)を2分15秒の差をつけて破った。総合3位にはカチューシャ・アルペシン(Team Katusha Alpecin)のイルヌル・ザカリン(Ilnur Zakarin、ロシア)が入った。

 また、クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のマッテオ・トレンティン(Matteo Trentin、イタリア)が、今大会4度目のステージ優勝を飾っている。

 1963年のジャック・アンクティル(Jacques Anquetil)氏と1978年のベルナール・イノー(Bernard Hinault)氏のフランス勢に続くツールとブエルタの2冠を達成したフルームだが、ブエルタの開催が1995年からツール開催の後になってからは初めての記録達成となった。

 フルームは「ツール・ド・フランスに勝って、1か月もしないうち始まったブエルタ・ア・エスパーニャで勝つことは史上初めてのことだから、この優勝は特別だ。スポーツ選手の視点からしても、長い期間トップレベルにいることは大きなチャレンジだった」と語った。

 これまでブエルタで3度の2位に終わっていたフルームは、第9ステージ、そして個人タイムトライアルの第16ステージを制すなど、第3ステージで首位に立つと最後までリードを譲らなかった。

「この6年間ブエルタでの勝利に挑んで、3度2位に終わっていたから、ついにこの赤ジャージー(マイヨ・ロホ)を手に入れることができて最高の気分だ。本当に感動的で、これ以上の幸せはない」

 ステージを制覇したトレンティンは3週間のレースの中でも数少ないスプリントステージで猛威を振るったが、今ステージを11位で終えたフルームが、ポイント賞首位に贈られる緑ジャージーを奪った。

 フルームは「緑ジャージーのポイントを取るためにスプリントするのはリスクがあった。最終ステージでクラッシュするという大きなリスクがね。でも結局のところ自分は自転車レーサーで、そこには戦いがあるんだ。これが自分のキャリアでも唯一グランツールのポイント賞を勝ち取れるチャンスだったと思う」とコメントした。

 一方で、プロサイクリストとして最後の日を迎えたトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は感動的な最後を迎えた。

 ブエルタで通算3度の優勝を誇るコンタドールは、前日の第20ステージで堂々と優勝を飾り、この日はマドリード(Madrid)の周回コースの1周目で集団を先導した。

 史上6人しかいないツール・ド・フランス、ブエルタ、ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)のグランツール全制覇を遂げているコンタドールは「レース全体が特別なものだった。昨日(第20ステージ)は最高に素晴らしいものだった。一生忘れることのないステージで、本当についていたと思う」と振り返った。(c)AFP