【8月27日 AFP】英イングランド(England)南西部グロスターシャー(Gloucestershire)州の丘陵地帯コッツウォルド・ヒルズ(Cotswold Hills)に位置するネイルズワース(Nailsworth)。人口6000人のこの町に本拠地を構えるサッカーチーム、フォレスト・グリーン・ローバーズ(Forest Green Rovers)のホームスタジアムが、収容人数5000人の「ニューローン(New Lawn)」(新しい芝の意)だ。

 英国中のサッカースタジアム同様、ニューローンでもチップスやパイ、ビールが売られている。だが、ここにはホットドッグがない。肉など動物系のフードは全面禁止、完全な菜食主義、つまりビーガン食なのだ。

 青々とした芝を保っているのは、捕集した雨水だ。スタジアムの塗料に化学物質は使用されていない。スタンドの屋根に設置されたソーラーパネルで使用電力の20%をまかない、電気自動車の充電設備も併設している。

 チームカラーはライムグリーンと黒。ジャージーには提携している英海洋生物保護団体「シー・シェパードUK(Sea Shepherd UK)」のロゴが入っている。

 ローバーズが創設されたのは1889年だが、今年5月、初めてプロフェッショナルリーグへ昇格。8月5日に新シーズンが開幕した、イングランドサッカーの4部リーグに当たる「リーグ2」でプレーしている。チーム名は「森の緑」という意味だが、このクラブが環境問題を意識し始めたのは、再生エネルギー関連のベンチャー企業「エコトリシティ(Ecotricity)」の創業者デール・ビンス(Dale Vince)氏(53)が2010年に会長に就任してからだ。

 ビンス氏はAFPにこう語った。「われわれはもっと持続的な暮らし方をする必要があるというメッセージを、環境問題にあまり触れたことのない観客、つまりサッカーファンたちに届けるチャンスだと思った。お説教じゃなくね。フードや交通手段について話そうという感じで」