【8月17日 AFP】来週発表の世界ランキングで王座返り咲きが決まっている男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、けがに泣く同僚のスター選手たちへアドバイスを送った――受け入れ、前に進み続けろ。

 31歳のナダルは16日、今月28日に開幕する全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)へ向けた最後の前哨戦として行われているウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2017)で、リシャール・ガスケ(Richard Gasquet、フランス)を6-3、6-4で下し、3回戦へ駒を進めた。

 ここ数年は膝などの故障により、苦しい日々が続いていた四大大会(グランドスラム)通算15勝のナダルだが、21日発表のランキングでは、臀部(でんぶ)のけがで戦線を離脱しているアンディ・マレー(Andy Murray、英国)に代わり、王座復帰が確定している。

 グランドスラム通算19勝のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が、背中の故障でウェスタン&サザンオープンを欠場したことにより、2014年7月以来3年ぶりに頂点に立つナダルは、「自分に新たなチャンスを与えるため、一生懸命取り組んできた。それで今の自分がある。このポジションに戻って来られてハッピーだし、(世界1位返り咲きは)感動的な瞬間になるだろう」と喜ぶ。

 その一方で、グランドスラム通算12勝のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が肘、昨年の全米オープン覇者のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)が膝、そして世界9位の錦織圭(Kei Nishikori)は手首のけがで、それぞれ今季残る全試合の欠場が決まった。

 また、マリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)が内転筋、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)は手首に故障を抱えており、米シンシナティ(Cincinnati)で行われている今週の大会では、トップ10のうち7人が欠場する事態となっている。

 こうした状況の時に生じる気持ちを最も理解するのは、他の誰でもなくナダルだ。グランドスラム初タイトルを獲得してからの13年間で、メジャー大会の欠場は6回を数えるナダルは、「今出ているどの選手よりも、私がああいった立ち位置を経験してきた。それがどれだけタフなことか私は知っている。(けがをした)みんなのことは非常に残念に思うし、素早く良好な回復を祈っている」と述べた。

「キャリアを通して大きな大会を何度も欠場してきたのは、トップ選手では私一人だ。ほかの誰よりも、それがどれだけ大変なことか知っている」

「でも、こういったことが起きたときにできるのは、たった一つ。受け入れ、前に進み続けるということだ」 (c)AFP/Jim SLATER