【8月16日 AFP】女子テニス、四大大会(グランドスラム)通算5勝のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が15日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)のワイルドカード(主催者推薦)を獲得した。ドーピング違反による15か月間の出場停止期間後では初のグランドスラム出場となる。

 現在世界ランキング148位のシャラポワは、全仏オープンテニス(French Open 2017)ではワイルドカードが認められず、続くウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)は太ももの故障で欠場を余儀なくされた。

 シャラポワは、2016年に行われた全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査で禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示し、国際テニス連盟(ITF)から出場停止処分を科された。今年4月の復帰後は、ワイルドカードで複数の大会に出場したが、ライバル選手からは批判の声が上がっていた。

 全米オープンを主催する全米テニス協会(USTA)はこの日、「テニス反ドーピングプログラム(TADP)が定める条件の下、彼女の出場停止処分は満了した。したがって、(出場停止処分は)ワイルドカードの選考過程に影響はなかった」と声明でコメント。さらに、これまでも同大会で優勝経験のある選手をワイルドカードに選出する慣習があったとして、2006年大会女王のシャラポワに対する今回の決断も一貫性のあるものだと説明した。

 またシャラポワはこれまでに、反ドーピングプログラムや禁止薬物のリストを確認することの重要性を若手選手に対して自主的に話す場を設けてきたという。

 2週間前に行われたバンク・オブ・ザ・ウエスト・クラシック(Bank of the West Classic 2017)で左前腕を痛めたシャラポワは、ロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2017)とウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2017)の全米前哨戦を欠場。

 カリフォルニア(California)州スタンフォード大学(Stanford University)で開催されたバンク・オブ・ザ・ウエスト・クラシックで、2015年3月以来となる米国での試合を戦ったシャラポワは、初戦でジェニファー・ブレイディ(Jennifer Brady、米国)を6-1、4-6、6-0で下した。しかし、その試合で前腕を負傷すると、全米前では最後の前哨戦となるウェスタン&サザンオープンも見送っており、現在は実戦から離れている。(c)AFP