【8月12日 AFP】最近撮影された衛星写真で、北朝鮮が新たな潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験の準備を進めているとみられることが分かった。米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)米韓研究所(US-Korea Institute)の専門家ジョゼフ・バーミュデッツ(Joseph Bermudez)氏が11日、明らかにした。

 バーミュデッツ氏は同研究所のウェブサイト「38ノース(38 North)」に衛星写真を投稿し、最近商業衛星が撮影した写真によって、北朝鮮が核兵器の海上発射の開発を加速している可能性があることを示唆する複数の動きが明らかになったと述べた。

 バーミュデッツ氏によると、馬養島(Mayang-do)の海軍造船所・潜水艦基地での新浦(SINPO)級潜水艦上の活動は「北朝鮮が一連の新たな海上発射実験の準備をしている可能性と、新浦級潜水艦の発射システムの改修が行われたこと、北極星1(Pukguksong-1)の改良型の開発が進められていること」を示唆しているという。北極星1は2016年8月24日に発射実験に初成功したSLBM。

 北極星1は日本に向けて約500キロ飛行した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は当時、太平洋(Pacific Ocean)に配備した潜水艦から米本土を射程内に捉えたと述べていた。

 バーミュデッツ氏によると、ここ数週間の新浦級潜水艦における準備は、これまでに行われてきたSLBM発射実験の準備と一致するという。

 こうした準備は、核兵器技術で進展を見せている北朝鮮が、理論的には米本土東海岸の都市も射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験に成功し、米朝間の激しい言葉の応酬で緊張が高まっているなかで行われている。

 SLBMシステムの能力が証明されれば、朝鮮半島から遠く離れた場所に核兵器を配備して軍事基地が攻撃された場合に報復攻撃することも可能となり、北朝鮮の核の脅威は新たな段階に入ることになる。(c)AFP