【8月11日 AFP】世界の気候に関する年次報告書「気候の状態(State of the Climate)」が10日に発表され、2016年の地球では気温や海面の高さ、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量といった一連の指標が近代史上最高を記録したことが明らかになった。

 米海洋大気局(NOAA)と米気象学会(American Meteorological Society)が毎年発表する同報告書の作成には、世界の科学者500人近くが協力。発表された2016年版では、地球温暖化が引き続き進行し、そのペースが緩む兆しも見られないことが、一連の主要気候指標から示されたと指摘している。

 報告書では「昨年の記録的な暑さの原因は、長期にわたる地球温暖化と、年初に起きた強いエルニーニョ(El Nino)現象が重なったことにある」としている。

 大気中のCO2濃度は402.9ppmに達し、近代観測史上、さらには80万年前までさかのぼる氷床コア記録でも初めて400ppmを突破した。

 世界の海面は、氷河や極冠の融解によって上昇。平均海水面は1993年平均を8.2センチ上回り、過去最高を更新した。

 地表面温度も上昇し、北極の平均地表面温度は1981~2010年の年間平均を2度上回った。これは1900年の観測開始時から3.5度高い数値だ。(c)AFP/Kerry SHERIDAN