【8月10日 AFP】国連(UN)は9日、イエメン、ソマリア、南スーダン、ナイジェリア北東部で計2000万人以上が、紛争に起因する飢饉(ききん)の危機にさらされていると警鐘を鳴らした。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は、「現在進行中の武力衝突と暴力が民間人に与える壊滅的影響を認識している」と述べた。飢饉の脅威と該当地域に広がる武力衝突の直接的な関係を、安保理が公式に宣言したのはこれが初めて。

 この宣言で安保理は、「現在続いている紛争や暴力が人道上壊滅的な被害をもたらし、短・中・長期的な観点から有効な人道支援を阻害しており、結果的に前述した飢饉の脅威の主要因となっていることを、深い懸念をもって強調する」としている。

 安保理は各紛争の全当事者に対し、「医療施設や医療スタッフ、またその輸送手段や装備を尊重し保護する」よう求めた。

 国連事務次長(人道問題担当)兼緊急援助調整官によると、この危機への対応として総額49億ドル(約5400億円)が喫緊に必要なのに対し、援助国が拠出した金額は25億ドル(約2750億円)にとどまっているという。(c)AFP