【8月10日 AFP】米人気歌手のテイラー・スウィフト(Taylor Swift)さん(27)が地方ラジオ局の司会者に体を触られたとして起こした訴訟で、スウィフトさんの母親が9日に出廷し、「ひどく動揺した」娘から被害を打ち明けられた当時の様子を語った。

 スウィフトさんは、2013年に米デンバー(Denver)で行われたコンサートでの記念撮影の際に、元ラジオ司会者のデービッド・ミュラー(David Mueller)氏に臀部(でんぶ)をつかまれたと主張。一方のミュラー氏は、そうした非難は事実ではなく、それによって自身は職を失ったとしてスウィフトさん側を提訴している。

 スウィフトさんのマネジメントチームの幹部でもある母親のアンドレア・スウィフト(Andrea Swift)さんは、デンバーの連邦裁判所に出廷し、当時は楽屋に戻ってすぐに異変を感じたと証言した。

 アンドレアさんは、「彼女が誰かにつかまれたと話した時には、かなり気が動転した」と話し、その時の娘の様子について「ひどく動揺し」、屈辱を感じていたと説明。陪審員らに対し、「私は何が起きたかを知った。娘の口から聞いた」と述べ、ミュラー氏を指さしながら、「あの人が彼女に性的暴行を加えた」と付け加えた。

 アンドレアさんによれば、デンバーでのこの一件以来、スウィフトさんはファンとの交流の仕方を変更し、直接触れ合う機会を減らしたり、コンサートの最中に観客席に入るのをやめたりしたという。

 一方のミュラー氏は、同日午前に行われた審理で証言し、暴行とされる行為の最中に撮られた写真は自分にとって不利な解釈をされる可能性があると認めた。

 ミュラー氏がガールフレンドと共にコンサート前のスウィフトさんと記念撮影した写真には、ミュラー氏の手がスウィフトさんの背後に回されている様子が捉えられている。これについてミュラー氏は、自分の指の関節がスウィフトさんの肋骨(ろっこつ)に触れたかもしれないと主張しているが、写真には同氏の腕が肋骨よりもかなり下に写っている。

 スウィフトさんは、ミュラー氏が彼女のスカートをまくり上げて臀部を触る性的暴行を加えたとの主張を変えていない。

 ミュラー氏は容疑を否認する一方で、カメラマンの方を見ていたので自分の手がどこにあったかわからないと認めている。

 両親とともに入廷したスウィフトさんは、訴訟で賠償金が支払われた場合には、女性への性的暴行と闘う慈善団体に全額を寄付すると明言している。(c)AFP/Jeanie Stokes