【8月6日 AFP】米グーグル(Google)の男性従業員が、IT業界にリーダー的存在の女性が少ないことには「生物学的原因」があると主張する内部文書が流出し、物議を醸している。

 グーグルに所属する氏名不詳のエンジニアが書いた3000ワードにも上る長い文書について、米メディアは「性差別主義だ」と報じた。これをきっかけにIT業界の性差別的な文化や多様性の欠如について、くすぶってきた議論が再燃している。

 ソフトエンジニアの男性はこの文書で「男性と女性で選好の分布や能力に違いがあることはある程度、生物学的原因に由来するもので、そうした違いがあるためにIT業界およびリーダーとして(男性と)同等の女性の代表者が存在しないことを説明できる可能性がある」と述べている。

 また、男性は生まれながらの適性があるためにより優れたコンピュータープログラマーになることができ、女性は「思考よりも、感性や美意識に対してより開かれて」いるために「社会的分野や芸術的分野の職業をより好む」とも述べている。

 流出した文書に関し、多様性について担当するグーグルのダニエル・ブラウン(Danielle Brown)新副社長は従業員に宛てたメールで、「こうした視点は私個人も、この会社も、容認したり奨励したりするものではない」「文化を変えることは大変で、やっかいなことがある」と述べた。さらに「さまざまな人々を受け入れる開かれた環境をつくることは、政治的見解の違いを含め、異なる見解を安心して共有できる文化を築くことでもある」と述べた。

 米IT業界では性別の違いに基づいた差別を受けているとして声を上げる女性が増えている。(c)AFP