【8月7日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)にある連邦議会議事堂(Reichstag)前で、中国人観光客2人がナチス・ドイツ(Nazi)式の敬礼をして写真撮影を行ったとして逮捕されていたことが分かった。警察当局が6日、明らかにした。

 この観光客らは5日、歴史的な連邦議会議事堂の建物前で、同国で禁止されているポーズを取りながらスマートフォンで互いに撮影し合っていたところを巡回中の警察官らに発見された。

 警察の報道官はAFPに、「36歳と49歳の中国人男性2人に対し、違法組織のシンボルを使用した容疑で捜査を開始した」と明かした。

 2人は地元の警察署で取り調べを受け、保釈金500ユーロ(約6万5000円)をそれぞれ支払った後に保釈された。

 違法組織のシンボルの使用については、極右グループのメンバーが告発されることが多く、最長3年の禁錮刑もしくは罰金刑が科される可能性がある。

 連邦議会議事堂にはドイツ帝国やナチス・ドイツの議会が置かれていたが、1933年に不審火が発生。この火災をきっかけに、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)はドイツ全土に権力基盤を固めた。1990年のドイツ再統一後、議事堂の改装を任された英国人建築家が開かれた民主主義の象徴としてガラスのドームを増築。1999年以降は連邦議会(下院)が置かれている。(c)AFP