【8月6日 AFP】シリア中部ホムス(Homs)でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に攻勢をかけていたシリア政府軍がホムスにおけるIS最後の拠点を制圧した。英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。これにより国内東部に向かうIS掃討の進軍路が開けた。

 政府軍が制圧したのは、古代都市パルミラ(Palmyra)の北東約70キロに位置し2015年初めからISの支配下にあったスフナフ(Sukhnah)で、東部デリゾール(Deir Ezzor)に向かうルート上の最後の町となる。

 人権監視団によると、スフナフはシリア政府軍の激しい砲撃と政府軍を支援するロシア軍の空爆によって制圧された。スフナフ制圧についてシリア政府からの正式発表は出ていないが、国営シリア・アラブ通信(SANA)は政府軍がスフナフを三方から包囲したと伝えた。

 シリア軍はロシアの協力を得て5月から大規模な軍事作戦を展開。首都ダマスカス(Damascus)とデリゾールなどユーフラテス渓谷(Euphrates Valley)沿いの町との間に広がる巨大な砂漠地帯の奪還を目指している。

 一方、ISは既にイラクで拠点としていたモスル(Mosul)を失い、シリアでも各地で政府軍の攻勢を受ける状況にある。(c)AFP