【8月5日 AFP】欧州警察機関(ユーロポール、Europol)は4日、欧州連合(EU)の最重要指名手配犯21人を追跡する取り組みとして、この夏「はがき作戦」を進めると明らかにした。

 ユーロポールはウェブサイトにそれぞれのはがきを掲載。クリックすると指名手配犯の氏名や顔写真が表示される。

 そのうちの一枚、ベルギー警察のはがきには「親愛なるアルテュール、ベルギーのフライドポテトはやはり最高です。この味がさぞ恋しいでしょうね。味わいに戻って来てはいかがですか。レストランで素敵なサプライズを用意しています」と書かれている。

 小便小僧(マヌカンピス、Manneken Pis)とフライドポテト、ビールのイラストがあしらわれたこのはがきで「アルテュール」と呼びかけられているのは、逃亡中の2014年にベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)の裁判所で麻薬密売の罪で有罪判決を受け、現在も逃亡を続けているアルテュール・ナブロキ(Artur Nawrocki)被告だ。

 2016年1月にユーロポールのウェブサイト「www.eumostwanted.eu」で掲載が始まった「最重要指名手配」リストによって、これまでに36人が発見・逮捕された。そのうちの11人はユーロポールに寄せられた情報が逮捕の決め手になった。

■一般の人の関心を高める

 ユーモラスなキャンペーンには、重大な暴力犯罪や性犯罪事件の逃亡犯を追い詰めるため、一般の人をユーロポールのウェブサイトに引き付けるという真面目な目的が込められている。

 ユーロポールの報道官によると、クリスマスシーズンのカレンダーを使った同様の取り組みでは3人が逮捕されたという。その一人、英国人の男はオランダの首都アムステルダム(Amsterdam)のスポーツバーで働いていたところ、ウェブサイトの情報を見た一般の人に逃亡中の犯罪者だと見抜かれ、その2日後に逮捕されたという。

 同報道官は、犯罪者もホリデーシーズンには「快適な生活、いい天気とビーチ、おいしい食べ物」があるところに行きたくなるものだと話した。統計があるわけではないが、スペインやトルコ、イタリアは、逃亡中の犯罪者の潜伏先として人気があることが分かっている。(c)AFP