【8月5日 AFP】(更新)ベネズエラで4日、各方面から批判を集めている制憲議会が招集された。支持率が低迷するニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の支持者が多数を占める同議会の発足により、野党勢力との対立は激化。米国をはじめとする各国からも、同議会の正当性を否定する声が上がっている。

 1999年制定の現行憲法改正を目的に招集された制憲議会は、全政府機関を上回る最高権力を持つ。議員500人余りを選出するため先月30日に行われた選挙では、暴力行為により投票が妨げられたほか、不正疑惑も浮上している。

 制憲議会は、野党議員が多数を占める国会を解散させる権限を持つ。だが実際に国会を解散すれば、「独裁体制」を築こうとしていると非難されているマドゥロ大統領の追従機関だとの批判が高まることは必至だ。

 制憲議会の議員たちは、マドゥル大統領と共に首都カラカス(Caracas)の国会議事堂に参集。故ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)前大統領の肖像を携えた数千人の支持者も見守った。

 ベネズエラでは過去4か月にわたり野党支持派のデモ隊と治安当局が衝突を繰り返し、125人以上の死者が出ている。野党勢力は4日もカラカスで抗議活動を実施。一部地域で治安当局との衝突が起きたが、死者が出たとの情報はない。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ