【8月3日 AFP】ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は2日、制憲議会選挙で選挙管理当局が投票者数を水増ししたとされる疑惑を否定し、「海外の敵の反発」だと一蹴した。一方、マドゥロ批判の先鋒(せんぽう)に立つ同国のルイサ・オルテガ(Luisa Ortega)検事総長は同日、疑惑の捜査を開始したと発表した。

 経済的にも政治的にも危機に陥っているマドゥロ大統領は、憲法改定のための制憲議会選挙を先月末に強行したが、民主主義を踏みにじっているとの批判が国内外から高まっている。また、投票システムを提供した英企業スマートマティック(Smartmatic)は2日、選管の公式結果について「改ざんされた」と告発し、制憲議会の正当性に対する疑念がさらに深まっている。

 オルテガ検事総長は「検察官2人を任命し、この非常に恥ずべき行為について選管の責任者4人を捜査する」と発表した。

 だが、マドゥロ氏はこの告発を否定。制憲議会選について、当選者を祝う式典で「過程にけちをつけることはできない。透明性のあるものだからだ」と述べ、選管当局が今後「100パーセントの監査」を行うと表明した。マドゥロ氏の代弁者との批判を浴びている選管当局も、「根拠のない推測に基づいた無責任な主張」と疑惑を否定した。

 新設される545議席の制憲議会は、野党が多数派を占める国会を解散させる権限を有し、法案の可決や新憲法の起草が可能な強大な力を持つ。当選議員にはマドゥロ氏の妻や息子も含まれている。

 制憲議会の発足は当初3日の予定だったが、野党側が大規模な抗議を予定する中、マドゥロ氏は4日に延期した。延期の理由についてマドゥロ氏は、当選議員35人について選管当局の正式な発表がまだ出ていないためだと説明している。

 ベネズエラでは4か月にわたって反政府デモが続き、治安部隊との衝突でこれまでに125人以上が死亡している。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ