【8月5日 CNS】「成就(Cheng Jiu)!双好(Shuang Hao)!」

 聞き慣れた声で呼ばれた2頭のパンダは、美味しそうに食べていた笹を食べるのをやめ、声がする方向にゆっくりと走っていった。この声の主こそ、中国・杭州動物園(Hangzhou Zoo)のベテラン飼育員、張旭昇(Zhang Xusheng)さんだ。この「パンダのお父さん」である張さんは、パンダ舎での38年にわたる勤務の間、5世代・9頭のジャイアントパンダを育て上げた。

 成就と双好の3歳のお誕生日会が行われた7月14日は、張さんの定年退職を祝う送別会という特別な意味も込められていた。

 「張さんは動物園のスタッフで最も長い期間、パンダを専門的に見てきた飼育員だよ」

 動物園のスタッフたちは言う。杭州でパンダの育成に関する最古参の知識と経歴を持ち、そしてパンダに最も愛情を持っている人だ。初代の「培培(Pei Pei)」「迎迎(Ying Ying)」、2代目の「成成(Cheng Cheng)」、3代目の「娅琳(Ya Lin)」「蜀云(Shu Yun)」、4代目の「成大(Cheng Da)」「成小(Cheng Xiao)」と、現在の成就と双好。38年のパンダ飼育人生のなかで、これだけ多くのパンダたちを迎え、また送り出してきた。それぞれ1頭1頭と張さんとの間にあった物語は尽きない。

38年で5世代のパンダを飼育

 張さんは1975年に同動物園で働き始め、4年後の1979年、同動物園パンダ舎で初代の培培、迎迎の2頭のパンダの担当になってから、2016年9月にやってきた成就と双好まで、5世代のパンダの成長を見守ってきた。

「動物園で働き始めたころは、私はまだ18歳の子供でした。その年に初めて杭州動物園に培培と迎迎がやってきて、彼らは値を付けようもない宝物であると感じ、見ているだけでもすぐに神秘的な珍しさを感じました」

「パンダの育成担当になれると知って、とても嬉しかった。当時、パンダ舎は新築だったし、自分はパンダの担当で、とても誇りに思いました。あのころ、パンダが主食として食べていたリンゴは『紅ふじ』。杭州動物園の動物舎で初めてエアコンが導入されたのが、パンダ舎だったんですよ」と、張さんは当時を振り返った。